最後に止水栓を交換したのはいつ？交換のライミングや相場も解説！

皆さんは家の止水栓をいつ交換したか覚えていますか？止水栓は住宅の水回りで重要な役割を果たす部品ですが、寿命は10年ほどといわれ、交換時期を見逃すと水漏れや設備トラブルの原因になります。この記事では、止水栓の交換タイミングや相場についてくわしく解説し、交換が必要かどうか判断するポイントをお伝えします。

止水栓の役割

水回りの設備には欠かせない存在である止水栓。

これはトイレや洗面台、キッチンなど、家の中で水を使用するさまざまな場所に設置されています。一度閉めると家中のすべての水の供給が停止する元栓と違って、止水栓は個々の設備ごとに設置されており、特定の場所の水だけを止めることができます。

ここでは、止水栓の役割についてくわしく解説します。

水漏れが発生したときに水を止める

止水栓のもっとも重要な役割は、水漏れが発生したときに水を止めることです。

住宅の水道設備では、蛇口や配管が破損したり劣化することで水漏れが起こることがあります。水漏れは、早急に水を止めなければさらに被害が広がるため、注意しなければなりません。

しかし止水栓をすぐに閉めれば、その部分だけ水が出ないようにすることができ、床や周辺の設備、さらには下の階への水漏れ被害を最小限に抑えることができます。

もし止水栓を閉めても水が止まらない場合は、水道の元栓を閉めて家全体の水を止める必要がありますが、通常は止水栓だけで部分的な水の流れを制御できます。また、水道修理業者が到着するまでの応急処置として、止水栓を使って水を止めることが可能です。

すぐに対応できない場合でも被害の拡大を防ぐことができるため、とくに緊急時においては止水栓を操作したほうがよいでしょう。

水量の調整

止水栓のもうひとつの役割は、水量を調整することです。

節水したい場合や、ウォシュレットなどの設備を使う際に水量を細かく調整することが求められる場面で役立ちます。たとえば、蛇口から出る水の勢いが強すぎる、シャワーの水圧が弱すぎると感じることがあるかもしれません。

そのようなときは、止水栓を操作して水量を変更することができます。通常、止水栓を反時計回りに回すと水量が増え、時計回りに回すと水量が減少します。一度に大きく動かすのではなく、少しずつ止水栓を調整しながら、水の流れを確認することが大切です。

止水栓交換の最適なタイミング

止水栓は、日常生活において水道設備を管理するために欠かせない部品です。

一般的に止水栓の寿命は約10年といわれており、10年を目安に定期的な交換が推奨されています。しかし、使用頻度や水質、環境条件などにより、劣化が早まることも少なくありません。そのため、止水栓の不具合や異常を早期に察知し、適切なタイミングで交換することが重要です。

ここでは、止水栓の交換が必要になる具体的な症状と、適切なタイミングについて解説します。

止水栓が回らなくなったり空回りする場合

止水栓が回らない、あるいは動かしにくいと感じた場合は、パッキンの劣化が原因である可能性があります。

パッキンはゴム製で、長年使用するうちに固くなってしまうことがあります。このような状態で無理に止水栓を回そうとすると、パッキンが破損し、水漏れを引き起こす恐れがあります。

また、止水栓が空回りする場合は、スピンドル（止水栓の中心部分にあるネジ状の部品）のネジ山が摩耗していることが考えられます。空回りしてしまうと、水を完全に止めたり、流量を適切に調整することができなくなります。

このような不具合は放置すると大きな水トラブルにつながるため、早急に止水栓を交換することをおすすめします。

水漏れが発生している場合

止水栓の周囲、とくに根元や給水管との接続部分から水漏れが発生している場合、経年劣化によるパッキンやスピンドルの損傷が原因であることが多いです。

パッキンは止水栓の重要な防水部品であり、劣化すると水漏れを引き起こします。また、スピンドルは金属製であるため、長時間の使用で摩耗が進行します。このような状態では部品交換が必要ですが、部品だけでなく、止水栓全体の交換を行うことが推奨されるケースもあります。

水漏れが発生した時点で、速やかに交換を検討するべきです。

使用環境や定期点検の重要性

止水栓の寿命は約10年ですが、これはあくまで一般的な目安であり、使用環境によっては寿命が短くなることもあります。

たとえば、水道水の成分が硬い地域では、止水栓内部にミネラルが付着しやすく、パッキンやスピンドルの摩耗が早まる可能性があります。また、使用頻度が高い場合や、外部環境が厳しい場所に設置されている止水栓では、より早い段階での劣化が進行することが考えられます。

そのため、定期的な点検やメンテナンスが非常に重要です。止水栓の状態を定期的にチェックし、不具合が見つかった場合は、専門業者に依頼して交換を行うことが推奨されます。

止水栓交換にかかる費用相場

止水栓交換の費用相場は、作業の種類や交換する場所、部品の価格により大きく異なります。

一般的には、水栓や蛇口の部品交換をともなう作業が多く、軽度な修理であれば比較的安価に抑えられますが、部品や本体の劣化状況に応じて費用は増加します。

たとえば、水漏れ修理の場合、止水栓のカートリッジ交換は1万6,000～2万2,000円程度、パッキンやスピンドルの交換は8,800～1万6,000円が一般的な費用相場です。これらは小さな部品交換で対応可能なケースが多く、修理費用は比較的抑えられる傾向にあります。

一方で、蛇口自体の交換が必要な場合、キッチンや洗面台、お風呂場の蛇口交換は3万5,000～6万5,000円と高額になります。とくに、機能性の高い水栓やデザイン性のあるものを選択すると、さらに費用が上乗せされることもあります。

とくに、お風呂やキッチンの水栓は使用頻度が高く、長期間使用することが多いため、劣化が進みやすい場所でもあります。

このような場合、本体そのものの交換が必要になることが多く、その場合には部品代だけでも数万円かかることがあるため、6万5,000円以上の費用がかかるケースもあります。また、洗濯機の蛇口交換に関しては、1万5,000～3万円が相場となっています。

洗濯機専用の止水栓は、ほかの蛇口に比べてシンプルな構造であるため、比較的低価格で交換可能です。しかし、古い型式のものや特殊な形状のものを交換する場合、追加の作業が必要となることもあるため、その際はさらに費用がかかる可能性があります。

もし止水栓の交換費用を抑えたいなら、定期的にメンテナンスを行い、大規模な修理を防げるでしょう。また、交換を検討する際は、複数の業者から見積もりを取り、費用と作業内容をしっかり確認することが大切です。

止水栓を自力で交換することは難しいのか

止水栓の交換作業は、基本的には自力で行うことが可能ですが、適切な道具と手順を理解していなければ難しい場合があります。

止水栓は水道設備の重要な部分であり、交換を間違えると水漏れやさらなるトラブルを引き起こす恐れがあるため、慎重な作業が求められます。手順を間違えないように、ここで必要な道具や交換手順をチェックしましょう！

必要な道具

止水栓の取り外しや部品を固定するのに、素手で対処することはできません。

止水栓の交換に必要な道具は、交換用の新品の止水栓、パッキン、モンキーレンチ、ウォーターポンププライヤー、シールテープ、ドライバー、各種レンチの7つです。モンキーレンチは止水栓の取り外しや取り付けに、ウォーターポンププライヤーは配管のナットを固定するのに使用します。

シールテープは、配管の接続部分にできる小さな隙間を埋めるのに不可欠な資材です。交換作業で失敗しないためにも、きちんとこれらの工具や資材をそろえたうえで、適切な手順に従って作業を進めましょう。

交換手順

止水栓の交換手順は次のとおりです。

作業中に水が噴き出してしまう可能性があるため、まずは家全体の水道の元栓を閉めて、水が流れないようにします。次に、モンキーレンチやウォーターポンププライヤーを使用して、止水栓を固定しているナットを慎重にゆるめ、止水栓を外します。

この際、配管や周囲に損傷を与えないように注意が必要です。新しい止水栓を取り付ける前に、新しい止水栓のネジ部分にシールテープを巻きます。巻く方向や回数を誤ると、漏水の原因になるので間違えないようにしましょう。シールテープを巻いたら、新しい止水栓を取り付けます。

最初は手で回して、手で回すのが難しい固さになってきたら、モンキーレンチを使って締めるとよいでしょう。しっかりと固定されているか確認し、最後に、元栓を開けて水漏れがないか確認します。ここで問題がなければ交換作業は完了です。

自分で行う際の注意点

ある程度のDIYスキルを持ち、なおかつ手順さえ理解すれば、自力で止水栓交換することも可能です。

しかし、正確な作業が求められるため、技術的な部分でつまずくこともあるかもしれません。とくにシールテープの巻き方が不適切だと、水漏れが発生するリスクが高くなります。また、ナットの締め具合や取り外し時に配管を傷つけないようにすることも重要です。

交換作業がスムーズに進まない場合や、水漏れが続く場合は無理をせず、水道業者に依頼することをおすすめします。自分で修理を試みるとさらに悪化させるリスクがあるかもしれませんが、専門家に任せれば、確実に問題を解決してくれるため安心です。

まとめ

止水栓は、住宅の水回りにおいて欠かせない設備です。水漏れ時の緊急対応や水量の調整といった2つの重要な役割を果たしています。ただし、止水栓が回らなくなったり空回りする、あるいは水漏れが発生した場合は、経年劣化が進んでいるサインです。止水栓の寿命は約10年とされていますが、こうした不具合が発生した際は、早めの交換を検討しましょう。交換は、適切な道具と手順を理解していれば自力で行える作業ですが、ミスをすると水漏れやさらなるトラブルを引き起こすリスクがあります。初心者には少々難しい部分もあるため、自信がない場合や水漏れが改善しない場合は、専門業者に依頼するのが賢明です。