水漏れ修理に市販のアルミテープを使用することはできるのでしょうか。結論からすれば、できるものとできないものとがあります。手軽に使えて便利なテープが販売されていますが、果たしてどのようなものなら可能なのでしょうか。
専用のテープである必要があります
アルミテープと一言で言っても、種類があります。アルミテープで水漏れ修理できると簡単に言ってしまえないのも、どんな種類かによってできる場合とできない場合とがあるからです。
通常のアルミ箔テープの場合、耐熱性や耐寒性には優れますので空調ダクトの熱遮断や保温・保冷用途には適しますが、水漏れに対応はできません。ただ、近年メーカーが熱やさびだけでなく水にも強い補修用のアルミ箔素材のテープを開発し、継ぎ目を補修することで水漏れも防ぐ製品を発表しました。
おもにキッチンまわりの補修に使えるとしていますが、雨戸の補修のほか、屋根や雨どいなど完全な屋外使用も可能としているため、こちらの製品なら漏れを防ぐことができます。場所や状態によっては応急処置となり、パイプの交換や設備の交換などを要する場合もありますが、とにかく漏れをなんとかしたいという場合に有効活用できるのは助かるでしょう。
貼り付ける部分の油や汚れを落とし、しっかり乾燥させてから貼る必要があります。また、適合する素材でないと密着できず、すぐに剝がれてしまう場合もありますので、使える素材かどうかは確認しましょう。
適性の合うものを適切に貼りましょう
おすすめはアルミテープより水漏れ専用のテープを使用することです。巻く場所によって適性が変わるためテープの種類が変わりますが、主なテープを紹介しましょう。
自己融着テープは、かなり水漏れがひどいときにも使うことができるテープです。ただし、曲がった部分には使えませんので、配管がまっすぐな部分にのみ使います。貼るときにテープをしっかり伸ばしながら巻き付け、テープとテープをお互いにくっつけ合って留める方式です。かなり強く補修できますし、プロの業者も使っている種類です。
防水補修テープは、近年とくに人気が出てきました。テープに防水効果があるのが特徴で、自己融着テープのように場所を選びませんし、素材も選びません。
次に水道用ラップテープですが、一般家庭であればこちらを使うことが多いでしょう。簡単に貼ることができるので、素人が規模の小さな漏れに対処するのに向いています。
こうしたテープに比べて、一般的なアルミテープは水漏れ専用ではないため、漏れが止まったとしても一時的なものと考えたほうがよいでしょう。比較的安く手に入りやすいので、応急処置と考えたほうが無難です。
また、耐熱性能は製品の品質によって大きく変わるため、もし熱湯がかかったり熱を帯びたりする可能性のある場所ならより注意が必要です。巻くときには、必ずほこりや油、汚れをきれいに取り去って、トゲなどのギザギザがないようになめらかな状態にしましょう。
貼るときにはかなり力を入れて、引っ張りながらテープ同士を隙間なく貼ります。製品によって伸びにくいテープもありますので、力のない人の場合はあらかじめ確認しましょう。
ただし、貼り終わりはテンションがかかると剝がれてしまうため、最後は引っ張らずに自然に貼るのがコツです。貼る前に必要な長さに切っておくことも大切です。上から別の保護テープを貼ると強度が増すので、より安全に使えます。
効果はありますが完全補修は難しいです
専用テープであれば、アルミ箔であってもほかの素材であっても水漏れを止める効果は得られます。ある日突然家の中が水浸しになってしまうと生活できなくなってしまいますので、日ごろからこうしたテープを準備して備えておけば安心でしょう。
ただし、水漏れ補修テープだけでは完全な修理をすることはやはり難しいと言わざるを得ません。もちろん破損度合いにもよりますが、適切なテープを適切に巻いても、あくまで一時しのぎであることを忘れないようにしましょう。一見完璧に水漏れが直ったようにも見えますが、素人の巻いたテープは数日で剝がれたり、漏れが悪化するとテープの隙間からじわじわと水が染み出して来る恐れもあります。
例えば窓のサッシも防水テープで施工されているわけですが、プロフェッショナルが施工したサッシでさえ、年月を経るとまわりからの水の侵入を防ぎきれなくなるのはご存じのとおりです。水が漏れないはずの部分から漏れている、その現実は根本的に配管からの見直しが必要だというサインです。
もし原因が配管や設備の老朽化なら、一か所防いだところでいずれまた別の場所から水漏れの発生を見る危険があるでしょう。テープを巻いて安心して放置していたら、配管が破裂したなどという大参事にならないよう、プロの業者を呼んで早く対処することをおすすめします。
水漏れは、専用テープを適切に巻くことで一時的に漏れを防ぐことが可能です。防水テープや専用のアルミテープであれば、漏れている部分を中心にしっかり密着させることで応急処置ができるでしょう。
水トラブルはいつ突然起こるかわかりませんので、普段から家に防水テープや専用のアルミテープを準備しておくことは有効です。ただし、素人が自分でできるレベルの修繕は根本的な解決にはなりませんので、水が止まったからといって安心して放置せず、早くプロの業者に見てもらうことをおすすめします。