家で発生するトラブルの多くは専門の業者に依頼しなければならないケースがほとんどですが、その中でも水漏れ修理は状態によっては個人で対応できる数少ないセルフ修理が可能な領域です。
今回はDIYショップなどで購入できるテープを使った簡単な水漏れ修理を、ケース別にご紹介します。
ポタポタ漏れや滲み漏れの修理方法
配管が比較的健全で水滴が僅かに零れて来るポタポタ漏れや、布が染みるように水が滲んでいる滲み漏れが見られる場合には、テープを貼る修理が可能で最も簡単に対処できる方法のひとつです。
そしてその際に使用するのはラップテープが最適です。通常のタイプの他に引っ張りの強度が高いタイプもあり、強く引っ張り圧力を掛けることによって止水が可能です。 シリコンラバー素材で作られており、伸ばしながら密着させて穴を塞ぐことができます。金属をはじめとするあらゆる素材の配管に利用できるとされており、裏表が無くどちらの面でも使用できます。
まずはしっかりと粘着させられるように配管を布で拭くなどして汚れを落としてから、テープを20cmから30cmにカットし、水が漏れている箇所に強く引っ張りながら長さの半分程度になるまで巻き続けます。 その後は特に強く引っ張らずに普通の力で巻いて、最後に端を強く押し付ければ完了です。
なぜ強く引っ張りながら巻き、最後に強く押し付けるのかと言うと接着面を圧着させることで固定される性質を持っているからです。 また、最初に強く引っ張って巻きつけた後に普通の力で巻くのは、これにより水が漏れている箇所からの圧力を分散させて、漏洩しようとしている水圧がテープを押し上げて再び水漏れが発生するのを防いだり、水圧により配管が膨張してサイズに変化が出た場合でも対応できるようにする目的があります。
やや強い漏れにも十分水漏れ修理が可能
水滴が零れるというレベルではなく、やや強い水漏れ修理には防水補修テープが最適です。 このレベルになると水を流しながらの作業は難しい場合が多いため、可能であれば元栓を閉めた状態で行います。 見た目がガムテープと似ていますが、表面には防水加工が施されており裏面には金属にも対応した接着剤が付いています。
一定の柔軟性や伸縮性はありますがシリコンラバーと比較すると幅は小さく、接合部などの段差があるような形状の箇所への対応が難しいですが、その一方で凹凸の少なく全面的にフィットさせられる箇所であれば優れた防水加工により絶大な効果を発揮します。
こちらも作業を行う前には配管の汚れをしっかりと落とす必要がありますが、粘着面を貼る形式のためより入念に綺麗にすることが大切です。 貼る時には空気が入らないようにするのがコツで、もしもその空気が入った箇所が水漏れの箇所であればそこにどんどん水が入り込んで押し上げて剥がれてしまう可能性もあるため注意が必要です。
また、接合部などの金属の鋭い箇所に強く押し付けたり引っ張ったりしてしまうと破損してしまう恐れもあるため、漏洩箇所を塞ぐことに集中します。 端の方から少しずつ貼り、空気が入らないように抜きながら丁寧に作業を進めていきます。 もしも空気が入ってしまったと感じたら安易にそのまま進めずに、新たなテープをカットするところからやり直すのがおすすめです。
深刻な水漏れ修理に対応する方法
深刻な水漏れでもテープによる修理が可能で、最もおすすめなのがファイバーグラス製の製品です。 特殊な薬剤が塗布されており、水に20秒から30秒程度塗らしてから巻きつけますが、その際に使用する水は海水や濁水でも可能で、当然水漏れした際に出てきた水でも構いません。
プロの現場でも緊急性の高い水漏れ修理に利用されることもあり、専門の業者に水漏れ修理を依頼したいと思うようなケースでも、これさえあればDIYで行うことも不可能ではありません。 使用されている薬剤は金属、セラミック、ガラス、木材などあらゆる素材に対応しており、強力に固着させることができます。
水漏れ修理では塗らしたファイバーグラスを強く引きながら巻きつけ、最後に絞るように馴染ませて空気を抜くようにして、その後30分程度経過すれば薬剤が硬化してその形のまま固着します。 注意しなければならないのが使用されている特殊な薬剤が強力なものであるところで、優れた止水能力がある一方で余計な場所に付いてしまえばなかなか取ることができません。
取扱説明書でも手袋を着用してから作業を行ったり、一度濡らしてしまったら全てを使い切るようにすることが推奨されています。 固着した後は半永久的にその形状が保たれるだけではなく、サンド仕上げや塗装をすることも可能で応急対応の領域を超えた本格的な水漏れ修理が手軽に行えることからも大きな注目を集めています
このようにDIYショップなどで入手できるテープを利用すれば、セルフ水漏れ修理が十分可能です。 しかし、金属の配管の強度と比較すれば遥かに弱いものであるため、ごく軽微なものを除き専門の業者に相談するのがおすすめです。