キッチンシンクの掃除は清潔を保つために重要ですが、適切な方法で掃除をしないと、シンクの傷の原因になって不衛生な環境になったり、パイプの接続部分にダメージを与えることがあります。水漏れが頻繁に起こるのは、じつは掃除方法が原因かもしれないのです。ここでは、効果的な掃除方法とその重要性についてご紹介します。
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キッチンシンクに傷がつく原因
毎日さまざまなものを取り扱うため、キッチンのシンクは傷がつきやすいものです。しかし、傷がつくと美しさが損なわれるだけではなく、さまざまなトラブルの原因になります。そのため、まずは傷がつく原因を知ることが重要です。
野菜などに付着した細かい砂や硬い食器
野菜を水洗いする際、細かい砂が付着していることがあります。砂は細かくとも硬く、優しく流さないとシンクに微細な傷を残す可能性があるのです。
また、食器をシンクに置く際、底がシンクの表面をこすり、傷をつけることがあります。とくに硬い素材の食器や動かす際の擦り傷が原因です。
こうした傷は避けられない場合もありますが、傷防止マットを敷いておくなど、防止策を行うことで傷の程度を抑えることができます。
コーティングの剥がれ
新品のシンクには保護のためにコーティングが施されていますが、経年劣化や熱により剥がれることがあります。コーティングが剥がれると、シンクが傷みやすくなるばかりか、サビの原因にもなります。
定期的なメンテナンスや適切な洗浄剤の選択によって、コーティングの効果を長持ちさせることが大切です。
水栓に直接水をかけること
多くの人が誤って行っているのが、水栓に直接水をかけて洗うことです。水栓には「水栓 水かけ禁止」というシールが貼られている場合がありますが、これには理由があります。水栓の内部構造はデリケートであり、水をかけることで水漏れの原因になることがあります。シンクを掃除する際は、水栓に直接水をかけず、水で湿らせた布で優しく拭くようにしましょう。
キッチンシンクに傷がつくとどうなる?
キッチンシンクは日常生活で頻繁に使用される場所であり、その劣化が放置されるとさまざまな問題が生じる可能性があります。とくに、シンクに傷がつくことがどのような影響をおよぼすのか、以下に詳しく説明します。
水漏れが起こりやすくなる
シンクにひび割れや傷が生じると、それが進行すると水漏れの原因になることがあります。熱湯を使用したり重い物を落としたりすることで、シンクの表面が弱くなり、ひび割れが広がる可能性があります。このような状態が放置されると、水がシンクの下の収納スペースや周囲の壁や床に浸透し、それらの素材を傷めるおそれがあります。
衛生面の悪化と雑菌の繁殖
シンクの表面に傷がつくと、そこに汚れや食べカスがたまりやすくなります。これにより、シンクの清潔さが損なわれ、さらには雑菌の繁殖が促進される恐れがあります。
キッチンシンクは食材の洗浄や調理の場でもあり、衛生管理が非常に重要です。傷が増えれば増えるほど、そこに雑菌が繁殖しやすくなり、食品を扱う際に健康リスクを引き起こす可能性が高まります。
見た目の損傷と清掃の困難さ
シンクの表面に傷が入ると、その光沢が失われ、くすんだり色合いが変わったりすることがあります。これにより、キッチン全体の美観が損なわれるだけではなく、傷の部分が汚れているように見えることもあります。また、傷の入った部分は清掃が難しくなり、汚れが完全に落としきれない場合があります。
長期的なコスト増加
シンクの劣化が進行すると、修理や交換が必要になる可能性があります。とくに水漏れが起きた場合や雑菌の問題が深刻化した場合は、それを修復するための費用がかさむことがあります。早期の手入れやメンテナンスを怠ることで、後になって大きな出費を余儀なくされることも考えられます。
意外な落とし穴!掃除グッズがシンクを傷つけているかも
キッチンシンクを定期的に掃除することは大切です。しかし「これでシンクをきれいにできる!」と思っていたものが、じつはシンクの傷の一番の原因になっていることがあります。そんな悲しい事態を防ぐためにも掃除グッズの見直しをしてみてはいかがでしょうか。
強力な薬品の使用
強力な洗剤や研磨剤は、シンクの表面やコーティングを傷つける恐れがあります。とくにステンレス製のシンクでは、研磨剤が表面を削り取り、長期的に劣化を引き起こす可能性があります。
人工大理石の場合は、クエン酸やアルカリ電解水などの洗剤や漂白剤がNGです。また、強力な洗剤を使い続けることは環境にもやさしくありません。中性の洗剤やシンク専用のクリーナーを使用し、やわらかい布で優しく拭くことをおすすめします。
さらに、塩素系の漂白剤を使ってシンクを清潔に保とうとする行為は、シンクの保護膜を剥がしてしまい、サビが発生しやすくなる可能性があります。シンク内で漂白剤を使う際には、適切な希釈率を守り、つけ置き時間を短くするなどの配慮が必要です。代わりに、中性の洗剤を使用して汚れを落とし、その後水で十分にすすぐことが重要です。
不適切な道具の使用
金属製のたわしやスチールウールなどの硬い素材の清掃道具は、ステンレス製のシンクに傷をつける原因となります。当然ですが、やすりも傷がつくのでNGです。
これらの道具を使用する代わりに、やわらかい布やスポンジ、またはシンクに適したやわらかいたわしを使うようにしましょう。ラップを丸めて軽くこする方法も、汚れを落とす上で効果的です。
キッチンシンクに傷がついたらどう対処すべきなのか
キッチンシンクは日常的に使用されるため、時折傷がつくことがあります。しかし、適切な対処をすることで、それらの傷を目立たなくすることが可能です。ここでは、シンクに傷がついた場合の対処法を紹介します。
傷の程度に応じた対処法を選ぶ
シンクの傷の程度によって、対処方法が異なります。浅い傷であれば自宅で手軽に修復することも可能ですが、深い傷や変形がひどい場合は専門業者に相談する必要があります。
クレンザーでの研磨
浅い傷や小さなキズを修復する場合、クレンザーを使用した研磨が有効です。シンクに使用するクレンザーは、研磨率が20%以下のものがよいでしょう。20%以上になると反対に傷をつけてしまうおそれがあります。
人工大理石の場合はクリームタイプがおすすめです。適切なクレンザーを選んだら、スポンジにクレンザーが染み込まないよう、ラップを巻きましょう。巻き終えたら、スポンジを使って優しく円を描くように磨きます。このとき力を入れてゴシゴシ擦りすぎないよう注意してください。
模様のついたステンレス製シンクの場合はヘアラインに沿って磨くことがポイントです。
重曹でシンクを磨く
シンクの傷や汚れを効果的に取り除く方法として、重曹を使用することがおすすめです。重曹はその粒子がやわらかく、シンクの表面を傷つける心配が少ないため、とくに模様が入っているシンクや軽度の傷に対して効果的といえます。
重曹を使ってシンクを磨くには、重曹、スポンジ、ぬるま湯の3つが必要です。まずは、シンク全体に均等に重曹をまぶします。重曹は粉末状なので、シンクの表面に広がりやすく、汚れや傷に対して効果的に作用します。
次に、少量の水で湿らせたスポンジに、重曹を含ませます。水を加えることで重曹がシンクに密着しやすくなります。優しくシンクを円を描くように、スポンジでクルクルと磨きます。この際、シンクに入った細かい模様がある場合は、模様に沿ってていねいに磨いてください。
磨き終わったら、ぬるま湯でシンクをきれいに洗い流します。重曹を使ったシンクのお手入れは、環境にも優しく、家庭で手軽に行える方法です。
コーティング剤の使用
修復後には、シンク専用のコーティング剤の使用もおすすめです。表面を保護することにより、将来的な傷つきを防ぎ、掃除のしやすさも向上します。撥水効果のあるコーティング剤なら、汚れが落ちやすく、水分が乾きやすいのでよりお手入れが楽になるでしょう。コーディング剤を定期的に再塗布することで、きれいな状態を持続させることができます。
また、業者に依頼してコーティング加工を施すのもひとつの方法です。シンクを丸ごと交換すると高額な費用がかかってしまいますが、コーティング加工だけなら費用が安く済みます。業者による加工なので、自分でコーティング剤を塗布するよりも高い効果を得られるでしょう。
マットや洗い桶の利用
先述したとおり、野菜についた砂や硬い食器類を引きずるなどがシンクの傷のおもな原因です。そのためシンクに直接物を置くときは、シンク専用のマットを敷くか、洗い桶を使用することでシンクの傷つきを防げます。
これらのアイテムはシンクの寿命を延ばし、美観を保つために役立ちます。また、洗い桶なら節水にも役立つでしょう。ただし、マットや洗い桶はカビが生えやすいため、こまめな手入れが必要になります。
交換を検討する場合
そもそもシンクの寿命は約20年といわれており、それを超えると劣化が進みます。傷が深く、シンク自体に変形やひび割れが見られる場合は、交換を検討しましょう。シンクのみを交換する場合、10~20万円程度で交換できる場合が多いです。
しかし、キッチンのタイプによってはワークトップとシンクをセットで交換しなければならない場合もあります。さらに、キッチンの水栓や換気扇、収納部分なども全体的に交換する場合には、より大がかりな工事になり、約30~80万円と費用が高額になってしまいます。設備の長寿命化のためにも、やはり普段の掃除を正しく行うことが大切です。
まとめ
キッチンシンクの劣化を放置することは、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。シンクの寿命を延ばし、快適で衛生的なキッチン環境を維持するためには、普段から注意深く使用し、定期的なメンテナンス(掃除)を怠らないことが大切です。しかし、キッチンシンクの掃除においては、適切な道具・方法で行なっているかがポイントになります。間違った方法で掃除すると、シンクの美観だけではなく、耐久性にも悪影響を与えます。シンクの傷が悪化すると、とくに厄介なのが「水漏れ」です。水漏れが起こると、水漏れ箇所の近くの家財道具にカビが生えたり、建材を腐らせることがあるため無視できません。こうした問題を防ぐためにも、普段の掃除が正しく行えているかよくチェックしましょう!