排水管詰りで水が流れない、原因がわからないけれど水道料金がかさんでいる、このような事実に心当たりがあれば水漏れ修理が必要な場合が多いといえます。
しかし業者選びは慎重に臨む必要があります。
なかには依頼していない内容の工事まで勝手に行い、本来では施行できない違法工法を採用するなどして利用者との間で詐欺被害などのトラブルに発展する事例も少なくないからです。
水漏れ修理でトラブルになった事例
キッチンやバスルーム、トイレなどの水回りの設備には蛇口から水が漏れ、排水口から排水が逆流するなどのトラブルに遭遇することが珍しくありません。
トラブルに遭遇したときにはチラシ広告やインターネット・電話帳の記載などの「低料金」を謳っている業者に連絡を取ることがよく行われていますが、実際に利用するとトラブルにあったという報告があとを絶ちません。
国民生活センターの調査によると水回り修理関係で被害にあう年齢は高齢者にかぎらず、若年層を含めて全世代に分布していることが明らかになっています。
契約金額は5万円未満が3分の1以上を占めていますが、他方で10万円以上50万円未満の被害相談も2割を超える割合を示しており時には高額被害になることも十分あることが窺えます。
具体的事例を紹介すると、蛇口の水漏れが発生した事案で、広告には「基本料金3000円」と記載されていたものの、いざ自宅に業者を招きいれるとろくに金額の説明を行わないまま作業をすすめ、最終的にはその18倍にものぼる修理費用を請求された、というものがあります。
またオーダーしていない工事を勝手に行い、高額請求を行う事例も報告されています。
例えば浴室のシャワーの水漏れ修理を依頼したところ、いきなり壁面のタイルを剥がし始めたので、おどろいた家主が止めるように告げたところ、作業担当者は現場を放置してそのまま帰宅してしまったというものもあります。
この事例では請求はされていないようですが、事実上余計な修理費用を負担することになります。
脅迫や詐欺的手法で高額請求する業者も
なかには水漏れ修理の依頼だけで済ませるはずだったのに、全く想定外の施行がなされてしまい数百万円単位の高額請求を受けた事例も報告されています。
キッチンやバスルーム・洗面所などの水回りの複数個所で水漏れが発生したので、新聞の折込み広告に添付されていたシールの連絡先に依頼したところ、「何箇所も不具合があるのでリフォームが必要」との説明をして家主の了承を得ることなく、結局水道管全部の交換まで必要とされて、工事総額640万円もの高額請求を受けることに。
折衝の結果工事代金は下げることができたものの、水漏れの修理だけで十分だった、といった事例もあります。
これは業者も交渉に応じてはいますが、もっと悪質な業者では依頼者からの問い合わせに対して脅迫めいた言辞を弄する場合もあるようです。
例えばトイレが詰まったので修理を依頼したところ、作業担当者はろくに説明もしないで工事をすすめ、工事途中で始めて13万円もの請求を受けたところが、納得できないので価格交渉を申し出たところ、とりあえず3万円の頭金を支払うことで合意してその場は帰宅。
ところがその後に電話で「逃げおおせた人はいない、残りの10万円を支払わないと水道がとまるかもしれない」などの脅迫的言辞をろうしたうえに、電話直後に水道が出なくなったことから、自宅まで勝手に来て止水栓を閉めた疑いもあるというものです。
ここまでくると脅迫や詐欺。
建造物侵入などの刑事犯罪の疑いも出てきます。
水漏れ修理を依頼するときには見積もりを必ず取ること
これまで水漏れ修理に関して、業者との間で遭遇するトラブルを実際に起きたケースをもとにご紹介してきました。
被害額も数万円から数百万円にいたるまでバラエティに富んでいますが、いずれの事例においても共通して観察されるのは、業者の担当者との間で費用についてもまともな事前のコンタクトが一切取られていない点です。
トラブルに遭遇した方の多くはチラシや広告の格安の基本料金だけに着目して連絡をとっているのは共通しているのです。
費用についての取り決めもないままであったたため、業者につけいる隙間を与えたことは否定できません。
チラシの宣伝文句を鵜呑みすることなく見積もりを請求することが大切です。
例えば電話などで連絡を取った段階では正確な見積もりは困難です。
しかしある程度の目安の見積もりを請求することである程度の施行内容の絞りをかけることが可能になります。
悪徳な業者なら見積もりを請求されても、あいまいで具体的な金額や施行内容を伝達することに難色をしますこともあり得ます。
そのような怪しげな挙動が見られる場合には契約を断る姿勢を明確にすることも大切です。
そして水漏れ修理を現実的に依頼する段階に移行しても、工事施行前に正確な見積もりを請求して不明瞭な追加請求がされることのないようにしておくことがポイントです。
担当者の姿勢も大切と言えます。
わからない点や疑問事項は丁寧に説明に応じてくれるかどうかもチェックしておきましょう。