万が一の火事などに遭遇した場合に備えて火災保険に加入している方も多くいらっしゃいますが、実は補償対象は火事に限定されるわけではありません。
火事にかぎらず風水害などの天候不順や水漏れなどの日常的なトラブルに対してもカバーしているのです。
それでは水漏れ修理についても適用されるのかというと、単純にそういうわけでもありません。
火災保険で保険金が下りる水漏れ事故とは
ここで大切なのは水漏れ修理の場面で、火災保険が適用されるためには見落としがちなことが多いと言う点にあります。
それでは保険金の給付を受けることができるのはどういう事態を想定しているのかといえば、水漏れに起因する損害についての損害賠償ということになります。
わかりやすい事例をあげてみれば、マンションなどの集合住宅で階上の水漏れが発生すると、階下にまで漏水などが波及するおそれがあります。
このような事故での損害は深刻で、数百万円以上の損害賠償が請求されることも珍しくありません。
直下の階にかぎらず更に階下の居室にも漏水被害が及び、共用部分に損害が波及することもあり被害額が巨額になる傾向があるからです。
このような事態に備えるには火災保険に加入するのは、対策になりますが加入さえすればそれで安全と断言しきれないのが悩ましいところです。
それというのも保険会社によって補償内容は異なり、給付条件も違いがあるのである事例では給付の対象になったのに、類似した別の事例では対象外と認定されることもあるからです。
実は自己所有だけでなく賃貸物件でもほとんどの場合に保険に加入しています。
特にマイホームではローンを組む際の条件として火災に備えて保険に加入することになっているので、事実上加入が義務付けられているからです。
賃貸の場合も事情が同じで、入居時に保険加入が事実上義務になっています。
従って水漏れが発生した場合には保険の適用が可否になるのは、案外一般的な話といえます。
あなたが加入している条件も対象になるかは、チェックを
それでは多くの方が火災に備えて民間会社の保険に加入しているのに、必ずしも保険給付を受けることができるわけではないのは、どのような事情が関係しているのでしょうか。
実際に保険給付の対象になるためには、特約の加入などを忘れていたりすることで補償対象外になっていることが良くあるからです。
ありがちなのは保険料の支払額を圧縮するために、保険でカバーできる範囲を火災などだけに限定しているというものです。
水害などに遭遇するのは自分にはありえない、との思い込みも念頭にあります。
ところが火災保険の支払いで一番多いのは実は水漏れ修理に関連するものです。
火災に遭遇すれば損害額が大きいのは容易に想像できますが、水道設備の不具合による事故は火災以上に日常的に経験する事故と言うのが現実です。
そのためにも、水漏れの修繕も視野にいれて保険プランを組むのが賢明な姿勢です。
またこれも見落としがちな事例ですが、仮に水漏れ修理などもカバーしている保険内容でも、補償対象を建物だけに限定している場合です。
損害のカバーを万全にするためには屋内の家具などもフォローするべきですが、保険料を節約するために建物被害だけを想定している場合が多いわけです。
確かに建物の補償対象は幅広いのでほとんどの損害をカバーできると考えされがちですが水漏れ事故では家具への浸水被害も被害額の中で無視できない割合を占めている現実があります。
滅多に発生しない事故でもいざ発生すると損害は巨額になりがちです。
このあたりも念頭において保険プランを検討する必要があります。
自分が水漏れ被害に遭遇したときは、速やかな行動を
先ほどご紹介したように水漏れ修理が必要になるような、水漏れ事故が発生すると集合住宅ではとりわけ巨額の損害賠償を負担するリスクが少なからず存在しています。
万が一の場合に備えてまずはご自身の加入状況を確認して下さい。
火災保険への加入自体の記憶があいまいな場合もありますが、このような時は持ち家ならハウスメーカーやローンを組んでいる銀行、賃貸物件なら不動産管理会社などに確認をとる方法があります。
それというのもこれらの会社は売買契約や賃貸借契約を締結するときに保険証券の写しを付属文書としてとっている場合が多いからです。
確認してみたら保険期間が過ぎてしまっていることや、加入していなかった場合には加入することをお勧めします。
仮に保険に加入していることが確認できても補償内容まで十分確認しておきましょう。
万が一の場合に、保険金の支払いを受けることができなければ意味がありません。
詳細な給付条件を記載しているのが保険証券です。
保険証券が見当たらなければ保険会社に直接問い合わせてみることです。
そして賃貸住宅にお住まいの場合では不動産管理会社が火災保険に加入している場合があります。
住人自身が保険に加入していない場合でも補償を受けることができる場合があります。
修繕が必要な水漏れトラブルにでも遭遇してしまった場合には、不動産会社に連絡を取ってみることです。
集合住宅では放置すると被害が拡大し深刻する傾向があります。
マンションなどの賃貸集合住宅では速やかに不動産管理会社に連絡をとることもリスクヘッジになるのです。