水道から漏水！気になったらチェックすべきポイントとは？

水道代が突然高くなったら、水漏れしている可能性があります。水漏れは放置するほど被害が広がり、水道代もどんどん上がってしまいます。自分で確認できる範囲はしっかりチェックし、異常があれば早めに専門業者に依頼することが大切です。今回は、漏水時のチェックポイントに加え、自治体の減免制度についても解説します。

水道代の高騰は漏水が原因かも？

長く利用していると「水道代がいつもより高いな」と感じることはないでしょうか。水道代の高騰としてどのような原因が考えられるのか、ここでまとめました。

契約変更・改正などで料金が変更された

水道料金が高くなった原因として、契約の変更や改正により料金が値上げされた可能性があります。たとえば、横浜市では令和3年7月1日から水道料金を改定することが決まり、平均で12％引き上げるとともに、料金体系を変更することが発表されました。

水道料金は各自治体によって異なりますが、水道は設備の老朽化、人口の減少など、さまざまな問題を抱えており、今後も過疎化の進んだ地域を中心に、水道料金の値上げが予想されています。

単純に使用量が増えた

庭でプールを楽しんだり、洗車をしたり、自宅に複数人のゲストを招くことがあるなど、水を使う場面が多いと、それに比例してどうしても使用量が増加してしまいます。いつもより多いなと感じたときは、いつもと違うことをしたのではと考えると思い当たることがあるかもしれません。

まったく思い当たることがない

生活も大きく変わった面もなく、水漏れチェックでも問題なかった場合、水道メーターの故障なども考えられます。なかなか原因が特定できない場合は、水道局に問い合わせてみましょう。

漏水によるもの

水道料金が高騰する背景にはいくつかの要因がありますが、その中でとくに重要なのが漏水です。水道管の老朽化や劣化が原因で漏水が発生するケースが多く、とくに古い住宅や施設では、これらの問題が顕著に現れやすくなります。漏水が起こると、無駄に大量の水が使われてしまうため、当然ながら水道料金も増加します。

漏水が疑われる場合にチェックすべきポイント

家庭内での水漏れは、しばしば気づきにくい問題ですが、早期発見が重要です。水道メーターを確認することは、漏水の有無をすばやく把握するための第一歩です。ここでは、漏水を疑った際にチェックすべきポイントについてくわしく解説します。

まず確認すべき場所は「水道メーター」

水道メーターは、どのくらい水を使用したのかを計測する機械です。一般的には家の外（玄関近くや駐車場など）に設置されていて、青や黒の鋳鉄製の蓋でおおわれています。このメーターは水道局が管理しているもので、メーターの数値をもとに建物を管理する人もしくは利用者に料金が請求される仕組みです。

突然水道料金が高くなったときは、まずメーターの針やデジタル表示を見て、水を使用していないにも関わらずパイロットが動いているかを確認しましょう。

家のどこをチェックすべき？

漏水の原因は、家のいたるところで見つかる可能性があります。水まわりを中心に、以下の場所を確認してみましょう。

トイレ・トイレタンク

トイレタンクの中の部品が故障していると、水が絶え間なく流れることがあります。また、給水管やウォシュレットからの微量の水漏れも考えられます。便器の裏側の床が濡れているか、トイレタンク周辺に水滴がないかを確認しましょう。

浴室

シャワーヘッドや蛇口からの漏水は、浴室ではとくに注意が必要です。水道を使用していないのに床が常に濡れている場合や蛇口の根元から漏れている場合があります。とくに、止水ボタン付きのシャワーヘッドを使用している場合は、使用後には必ず蛇口を閉めることが重要です。

キッチン・洗面台

キッチンや洗面台の蛇口や水栓の根元は、内部パッキンの劣化により漏水しやすいです。シンクや洗面ボウルが常に湿っている場合は、微量の漏水があるかもしれません。

また、キャビネット内のブレードホースも定期的に確認し、劣化や破損がないかを注意深くチェックしましょう。

屋外の水栓

庭先やバルコニーなど屋外の水栓は、目につきにくいため長期間気づかないことがあります。とくに冬場は凍結による破損も考えられるため、周囲の土が常に湿っていないか、水漏れのサインを注意深く観察しましょう。

給湯器

給湯器は屋外に設置されていることが多く、水漏れが見逃されがちです。経年劣化や凍結による漏水の可能性があるため、とくに寒い時期には定期的な点検が重要です。

異音が発生している

家のどこかで水漏れが起きている場合、給水管から異音がすることがあります。壁の中や床下からシューという音が聞こえる場合は、漏水のサインかもしれません。とくに水漏れの原因がわからない場合は、このような異音を探してみるとよいでしょう。

水漏れ修理業者が行う漏水調査の内容とは

水道管からの漏水も原因のひとつとして挙げられますが、素人では対処が難しいところです。水道管からの漏水は、長期間の使用や環境の影響によって発生する問題であり、漏水が発生した場合、迅速な対応が必要となります。水漏れ修理の専門業者であれば、専門的な道具や技術を駆使して、以下のような漏水調査を行ってくれるでしょう。

音聴法

医師が聴診器を使って患者の身体から出る音を聴くのと同じように、音聴法は、止水栓や水道メーターに特殊な道具で音を当てて漏水している場所を特定する手法です。この方法では、水漏れが発生した箇所から発する微細な音を感知し、その音の変化から漏水の位置を推測します。

路面(埋設配管)音聴調査

地面に埋まっている水道管から漏水がしている可能性がある場合、特殊なノイズカット式の漏水調査機を使用して路面音聴調査を行います。この方法では、地面からの騒音を排除し、水道管から発する音だけをとらえて漏水の有無を確認します。

漏水探知法

配管経路が分かっている場合には、漏水探知機を使用して漏水箇所を特定する漏水探知法が採用されます。この機器は、水圧の変化や水流の速度、温度の変化などを検知して、漏水が発生している場所を精密に特定します。特に複雑な配管システムや大規模な施設での漏水調査に有効です。

漏水調査にかかる平均費用

漏水問題は早期に発見し、修理することが重要ですが、より正確な漏水箇所を特定するには専門的な調査が必要になるでしょう。漏水調査にはいくつかの方法があり、それぞれ異なる費用がかかります。一般的な費用の目安は、音聴法であれば8,000～1万5,000円程度、漏水探知法であれば1万2,000～1万5,000円程度になります。

また、漏水探知法は特定のガスを利用して漏水箇所を見つける方法で、より高度な技術が必要になります。そのため、漏水探知法は2～3万円程度と、3種類の調査方法のなかでもっとも高額です。

しかし、ここでご紹介した費用はあくまで目安なので注意しましょう。たとえばマンションの場合は、一戸建てよりも高くなる傾向があります。このように、調査方法や対象物件の種類によって費用が異なることは留意しておきたいところです。

漏水で高くなった水道代は取り戻せる？

水を使用していないのに高額な水道料金が発生した場合、なんだか損をした気分になりますよね。実際、漏水による高額な水道代は、自分の責任ではないにも関わらず支払わなければならないものなのでしょうか。ここでは減額の可能性について解説します。

手続きをすれば減額できる可能性がある

一般的に、水道料金は使用者が負担する必要があります。給水装置（給水管や蛇口など）の管理と修繕は個人の責任となるため、水漏れによる水道料金も原則として支払わなければなりません。

しかし、地下や壁の中からの漏水は見つけにくく、気づいたときには高額な請求書が届いていることがあります。こうした場合、自治体によって設けられている減免制度が役立ちます。この制度では、一定の条件下で水道局に減額申請書を提出すると、漏水による水道代の一部を減額することが可能です。

この一定の条件とは、故意でないこと、水漏れ箇所が修理済みであること、水漏れ発生から2か月以内に申請することの3つが挙げられます。

減免が適用されるケースとされないケース

地下や壁の中からなど目に見えない場所からの漏水は、通常の管理では気付きにくいため、減免の対象となることがあります。さらに、自然災害など不可抗力の場合、使用者が適切な管理をしており過失がない場合にも、減免の対象になることがあります。

一方で、蛇口の閉め忘れなど、使用者の管理ミスによる漏水では減免は期待できません。修繕を怠った場合も同様です。仮に老朽化した場合であっても、漏水を放置して定期的な点検や修繕を怠った場合、減免の対象外となることがあります。漏水による高額な水道代を取り戻すためには、まず漏水箇所を特定し、修繕を行う必要があります。

修繕後には、漏水の事実を証明する書類を準備し、管轄の水道局に減免申請を行いましょう。申請の際には、修繕費用の請求書や領収書などを提出することが求められるので、注意が必要です。

減免制度を受ける際の注意点

水漏れによる水道料金の減免については、自治体ごとに異なる条件があります。詳細な情報は、お住まいの地域の水道局に直接問い合わせを行うか、市の公式サイトで確認してください。漏水でお困りの方は、早めの対応が問題解決のカギとなります。

また、火災保険に加入している方は、補償内容をチェックしてみましょう。故意ではないケースや経年劣化による水漏れではない場合に限り、保証の対象になる可能性があります。水漏れ修理業者に水漏れ原因を特定してもらい、保証の対象になるか確認することをおすすめします。

まとめ

水道代の高騰が気になる場合、漏水が原因である可能性を見逃さないようにしましょう。日常生活での小さな変化にも敏感になり、早期に対処することが重要です。漏水の疑いがある場合は、プロのアドバイスをもとに、適切な対策を講じることで、水道料金の無駄を減らし、安定した生活を維持することができます。また、自治体によって条件が異なりますが、減免制度を利用することで負担を軽減できる可能性があるので、高額な水道料金が発生した場合は早めに確認してみましょう。