ユニットバスの排水口がつまると、水が流れにくくなり、悪臭や衛生面での問題が生じることがあります。日常的な汚れや髪の毛の蓄積が原因となることが多く、早めの対処が必要です。この記事では、排水口のつまりを解消するための効果的な方法や、日常で手軽に行える対策までくわしくご紹介します。
ユニットバスの排水口がつまる原因
ユニットバスの排水口がつまると、浴室全体が水浸しになり、場合によっては水漏れや嫌なにおいが発生することがあります。
こうしたトラブルを防ぐためには、排水口のつまりの原因を正しく理解し、適切な対策を取ることが重要です。ここでは、ユニットバスの排水口がつまるおもな原因について解説します。
シャンプーやボディーソープの残りカス
ユニットバスの排水口がつまる大きな原因のひとつが、シャンプーやボディーソープの残りカスです。
「液体だし問題ない」「泡だから大丈夫!」と侮っていると、気づかないうちにつまりの原因になっているかもしれません。とくにシャンプーの泡やボディーソープの泡は、使用後にしっかりと洗い流さないと排水口内に溜まっていきます。
これらが固まることで、徐々につまりを引き起こします。排水口に固まった石鹸カスやシャンプーの成分が絡み合うことで、水の流れが悪くなり、最終的には完全につまってしまうこともあります。
髪の毛やペットの毛
髪の毛やペットの毛も、ユニットバスの排水口をつまらせる主要な原因です。
とくに長い髪の毛は絡まりやすく、排水口につまることが多いです。また、ペットを飼っている家庭では、ペットの毛も排水口に流れ込み、つまりの原因になります。髪の毛や毛は水に溶けないため、一度排水口に溜まると取り除くのが難しくなります。
石鹸カス
石鹸を使用している場合、そのカスもつまりの原因となります。
石鹸カスは、排水口内で徐々に固まり、時間が経つにつれて層を作り、排水の流れを悪くします。とくに硬水を使用している地域では、水の中に含まれるミネラルによって石鹸カスが固まりやすく、つまりやすい環境が整ってしまいます。
つまりの原因を自分で解消するには?
排水口のつまりは、専門業者に頼むことで確実に解決できることは多いですが、即座の対応やコストを考慮すると、まずは自分で対応できる方法を知っておくことが重要です。
ここでは、身近な材料を使った方法や市販のグッズを活用して、つまりを自分で解消する方法を紹介します。
タオルとお湯を使ったつまり解消方法
もっとも手軽な方法として、お湯と使わないタオルを使う方法があります。
排水口が軽度につまっている場合、この方法が非常に効果的です。方法はかんたんで、まず排水口にしっかりと水を流し、その上にタオルを巻きつけます。その後、沸騰したお湯を少しずつ排水口に注ぎながら、タオルに力を加え引き上げます。
タオルが排水口をしっかり塞ぐことで、排水口にかかる水圧が上がり、つまりを押し流してくれることが期待できます。この方法はとくに髪の毛や石鹸カスなどが原因でつまっている場合に有効です。ただし、重度のつまりには効果が薄いこともあります。
重曹とお酢(クエン酸)でのつまり解消方法
次におすすめなのは、重曹とお酢(クエン酸)を使ったつまり解消方法です。
この方法は排水管内の油分や汚れを分解するのに効果的で、環境にもやさしい点が特徴です。まず、排水口に1/2カップの重曹を入れ、その後1/2カップのお酢を注ぎます。このとき、化学反応によって泡が発生し、その泡がつまりの原因物質を分解してくれます。
泡が溢れた場合は、少しお湯を注いでから再度重曹とお酢を加えるとよいでしょう。10分ほど放置した後、排水口にお湯を流し込んで、反応が残さず行き渡るようにします。この方法は比較的軽度のつまりや、定期的な予防策として有効で、排水管内を清潔に保つ効果もあります。
専用のつまり取りグッズでの解消
軽度のつまりが解消できない場合、専用のつまり取りグッズを使用するのが次のステップです。
市販されているこれらのグッズは、手動式や電動式のものがあります。手動式の代表的なものとして、スプリング状のワイヤーを排水口に挿入し、つまりを絡め取る「ワイヤータイプ」があります。この方法は、髪の毛やゴミが絡まってつまっている場合にとくに有効です。
ラバーカップのような吸引タイプのグッズでは、排水口に吸盤を当てて手動ポンプでつまりを吸い上げます。また、電動式の場合は、モーターでワイヤーを回転させることで、より強力につまりを取り除くことが可能です。
ただし、これらのグッズを使用する際には、使用前に説明書をよく読み、正しい使い方を確認することが大切です。また、作業を始める前に排水口周辺の水をしっかり取り除くことも忘れないようにしましょう。
とくに吸引式のグッズでは水が周囲に飛び散ることがあるため、周辺の掃除も考慮する必要があります。
液体パイプクリーナーを使っても効果がないことがある?
排水口が詰まったとき、多くの人が頼るのが液体パイプクリーナーです。
この製品は、髪の毛や皮脂、石鹸カスといった汚れを強力に分解し、すっきりときれいにしてくれます。しかし、液体パイプクリーナーを使用しても思ったような効果が得られない場合もあります。ここでは、その理由についてくわしく解説します。
固形物がつまっている
液体パイプクリーナーは、髪の毛や皮脂、垢などの有機物を溶かすのにすぐれていますが、固形物に対しては効果がありません。
ヘアピンやヘアゴム、シャンプーの詰め替えパックの切れ端、小さな玩具などが排水口につまっている場合、クリーナーをいくら使用しても問題は解決しません。これらの固形物は物理的に取り除く必要があります。
ヘアキャッチャーや排水トラップを外して目視できる範囲であれば、ピンセットやフック状のツールを使って取り除くのが有効です。しかし、見えない場所につまっている場合や、自己対処が難しい場合は、専門業者に依頼しましょう。
対処できる範囲を超えている
髪の毛や皮脂の塊がつまりの原因でも、完全には対処できないことがあります。
長時間放置されて堆積した汚れは、硬くなり、クリーナーで溶かしにくくなってしまうのです。このような場合は、クリーナーの成分や濃度に注目することが重要です。たとえば、水酸化ナトリウムの濃度が高い製品を使用することで、頑固な汚れに効果的にアプローチできます。
また、液体クリーナーの使用に加え、ワイヤー式のパイプクリーナーで物理的に汚れを削り取る方法も有効です。ただし、これでも解決しない場合は、プロの技術が必要になることもあります。
使い方を間違えている
液体パイプクリーナーを正しく使用しないと、その効果が十分に発揮されないことがあります。
クリーナーの適量を守らず、少量で済ませると、汚れに十分に届かないことがあります。説明書に記載された使用量を守りましょう。また、入れ方が不十分なケースも考えられます。排水口の蓋や排水トラップを外さないまま使用すると、クリーナーが奥まで行き渡りません。
排水口の構造をしっかり確認し、すべての取り外せる部品を外した状態でクリーナーを注ぎましょう。そしてよくあるのが待ち時間の設定ミスです。長時間待つことが効果的だと勘違いされがちですが、実際には数回に分けて使用したほうがよいとされています。
説明書をよく読んで、適切な時間を守りましょう。もし1回目で効果が薄いと感じたら、洗い流した後に再度クリーナーを投入するのがおすすめです。
排水が遅いときはすぐに対処&予防策を!
なんとなく水の流れが悪いと感じたり、排水が明らかに遅いときは排水管がつまり始めているのかもしれません。
そんなときはすぐにでも対処・予防策を講じるべきでしょう。ここでは普段からできる予防法についてご紹介します。
石鹸カスなどによるつまりはしっかりと流す
つまりを防ぐためには、シャンプーやボディーソープを使用した後に十分な水で排水口を流すことが重要です。
排水口の近くには泡や汚れが残りやすいため、使用後に数秒間水を流し続けることで、カスが蓄積しにくくなります。とくに固形石鹸を使っている場合は、使用量を調整することで、よりつまりを防げるでしょう。また、定期的に排水口を掃除して、溜まった汚れを取り除くことも効果的です。
抜け毛は定期的に取り除く
髪の毛によるつまりを防ぐには、シャンプー中に抜けた髪の毛をこまめに取り除くことが大切です。
また、ペットをお風呂に入れるときは、あらかじめブラッシングをして、抜け毛をできるだけ減らしておくことも効果的です。さらに、排水口に専用のフィルターやネットを設置することで、髪の毛や細かいゴミが流れ込むのを防ぐことができます。
困ったときはプロに相談!
排水口のつまりをそのままにしておくと、害虫が発生する原因になったり、汚水が逆流してくるなど衛生的な問題にもつながりかねません。
そのため、万が一排水口がつまってしまった場合は、まずは物理的につまりを取り除くことが重要です。髪の毛や汚れが見える場合は、手袋を着用し、手で取り除くことができます。また、先述したとおり、つまりを取り除くには市販の液体パイプクリーナーを使用するのも効果的です。
ただし、クリーナーを使用する際には、必ず使用説明書をよく読み、換気をしながら使用しましょう。強力な化学成分を含むクリーナーは、誤って使用すると配管を傷めることがあるため、注意が必要です。
もしも排水口のつまりがひどく、自力で解決できないときは、プロの業者に依頼することも考慮しましょう。無理に解決しようとすると、かえって排水管を傷める可能性があるため、深刻な場合は専門家に頼るのが最善です。
まとめ
ユニットバスの排水口がつまる原因には、シャンプーやボディーソープの残りカス、髪の毛、ペットの毛、石鹸カスなどが挙げられます。これらのつまりを自分で解消する方法にはさまざまなアプローチがありますが、つまりの原因や程度に応じた対策を選ぶことが重要です。軽度なつまりはタオルや重曹で解消できますが、深刻な場合は専用グッズを使うか、業者に依頼することも検討すべきです。また、日常的なメンテナンスや定期的な排水口の掃除を行うことで、つまりを未然に防ぐこともできるため、予防策も忘れずに行いましょう。排水口フィルターの使用や、つまりが発生した際には適切な対策を取ることで、トラブルを未然に防ぐことができます。