キッチンで水漏れが発生した際の対応が遅れると、被害が拡大してしまう恐れがあります。そのため、やるべき応急処置を事前に把握しておくのが大切です。本記事では、水漏れ時にやるべき応急処置に加えて、水漏れの原因や対処法についても詳しく解説していきます。
この記事を読んで、いざというときのキッチンの水漏れに備えてください。
CONTENTS
キッチンの水漏れ時にするべき応急処置
キッチンで水漏れが発生した際には、迅速に対応することが重要です。水漏れを放置すると被害が広がり、修理費用も高額になる可能性があります。ここでは、キッチンの水漏れに気づいたときに行うべき応急処置を4つ紹介します。
止水栓を停める
まず最初に、止水栓を閉めることです。水漏れが発生した場合、速やかに水の供給を止める必要があります。
キッチンの止水栓は、一般的にシンク下の扉を開けた奥にあります。多くの場合、水道の蛇口に似たハンドルがついており、このハンドルを時計回りに回すことで水の流れを一時的に止めることが可能です。水漏れの拡大を防ぐために、まずこのステップを確実に行いましょう。
もし温水と冷水の両方が使用可能な蛇口であれば、ハンドルが2つあるのでそれぞれを時計回りに回して止めてください。
シンク下にあるものを全て外に出す
次に、キッチンのシンク下に収納したものを全て外に出すことです。水漏れが直接当たっていなくても、湿度が上がることでシンク下に不衛生な状態が発生する可能性があります。
特に、食品や紙類がシンク下に収納されている場合、それらが湿気を吸収して腐敗したり、カビが生えたりする恐れがあります。湿度が高くなると虫が発生することもありますので、早めに収納物を外に出して通気性を確保しましょう。
水を拭き取る
次に行うべきことは、水を拭き取ることです。タオルや新聞紙を使用して、水漏れによって床や家具に浸透した水をできるだけ拭き取ります。まずタオルで大まかな水分を吸収し、その後新聞紙やキッチンペーパーで水漏れ箇所に押し当てるようにして細かい水分を取ってください。
水に濡れた状態を放置しておくと、湿気が家具や床材にダメージを与える可能性があるため、できるだけ早く水を取り除くことが重要です。
換気をする
最後に、換気を行うことです。水漏れによって室内の湿度が上昇すると、カビの発生や建物へのダメージにつながることがあります。窓を開けて外気を取り入れ、換気扇を回して空気の循環を促進しましょう。
また、シンク下の扉も開け放して、こもった湿気を外に逃がすようにします。水漏れがひどい場合や、応急処置だけでは対処できない場合は、すぐに専門業者に修理を依頼することが大切です。
賃貸住宅に住んでいる場合は管理会社へ連絡する
もし賃貸住宅に住んでいる場合は、管理会社への連絡が欠かせません。水漏れは他の住居にも影響を与える可能性があるため、速やかに管理会社に報告し、指示を仰ぎましょう。賃貸物件では設備の修理は管理会社や大家が対応するケースが多いですが、契約内容によっては自己負担となる場合もあります。
特に自己判断で修理を行った後に報告をする場合、修理費用が自己負担になる可能性があります。そのため、事前に管理会社への連絡を忘れずに行いましょう。
水漏れの原因と対処法
キッチンで発生する水漏れの原因は大きく分けて、シンク下や蛇口に関連する問題があります。まず、シンク下の水漏れは「給水管」「給湯管」「排水トラップ」「排水ホース」「排水管」のいずれかが原因であることが多いです。蛇口の場合、多くはパッキンの劣化が原因で、部品を交換することで修理できる可能性が高いです。
排水トラップの水漏れ原因と修理方法
キッチンシンクの排水口には排水トラップが設置されており、このトラップの水漏れは主にパッキンの劣化が原因です。パッキンはゴム製で、経年劣化により隙間やひび割れが発生します。
トラップ自体に破損がある場合は、新しい製品と交換することが必要です。修理の際は、換気をしっかり行いながら、排水トラップとシンクやホースとのつなぎ目にあるパッキンを交換します。
排水ホースの水漏れ原因と修理方法
排水ホースの水漏れは、パッキンの劣化やホースの損傷が原因となることが多いです。古い排水ホースは経年劣化により、少しの衝撃で破損することがあります。
そして、ホースが劣化している場合は交換が必要です。また、水漏れ箇所に防水テープを巻くことで応急処置を行うことができます。しかし、長期的な解決にはホースの交換が必要です。
排水管の水漏れ原因と修理方法
排水管はキッチンの排水ホースの接続先で、他の水回り設備(トイレ、洗面台、浴室など)の排水も一緒に流れ込む部分です。排水管の水漏れ原因には、接続不良や詰まり、逆流などが挙げられます。接続不良の場合はホースを再度接続し直すだけで修理が可能ですが、排水管が詰まっている場合は専門業者に依頼する必要があります。発見が遅れると、床材の張り替えなどが必要になるかもしれません。
止水栓の水漏れ原因と修理方法
止水栓の水漏れも、内部のパッキンの劣化が原因です。そのため、パッキンを交換することで解決できます。作業を行う際は、水道元栓を閉めてから行う必要があります。
また、頻繁に止水栓を開閉している場合は、ケレップ(水栓コマ)という部品も交換すると良いでしょう。
給水ホース・給湯ホースの水漏れ原因と修理方法
給水ホースや給湯ホースの水漏れも、接続部のパッキンの劣化が主な原因です。これらのホースが劣化・破損することは稀ですが、その場合はホースの交換が必要です。
また、給水管や給湯管自体が劣化・損傷している可能性もあるため、長期間使用している場合は、ホースごと交換を検討するのが望ましいです。
その他の水漏れ原因
シンク自体からの水漏れや、浄水器や食洗機からの水漏れも考えられます。シンク自体の水漏れは、コーキングの劣化やシンクに穴が開いていることが原因で、これらは補修材やシンクの交換が必要です。
浄水器や食洗機からの水漏れは、接続部のパッキンの劣化が原因であることが多いですが、機器の故障も考えられるため、専門業者に依頼することが推奨されます。
キッチンの水漏れ修理にかかる費用の相場
キッチンで水漏れが発生した場合、その修理費用は修理内容や交換する部品の種類によって異なります。以下は一般的な修理内容とその費用相場です。
・蛇口修理:8,000~1万5,000円
・蛇口交換:1万8,000~5万円
・排水栓(排水口)の交換:8,000~1万5,000円
・樹脂製排水ホースの交換:8,000~1万5,000円
・金属製排水パイプの交換:2万~3万円
・配管の詰まり解消:5,000~3万円
基本的な作業費と出張費を合わせると、最低でも8,000円程度からの料金となり、それに加えて部品代が必要です。
例えば、蛇口を交換する場合、選ぶ蛇口の種類や機能によって費用は大きく変動します。軽微な修理で済む場合、例えばパッキン交換やナットの締め直しだけなら、5,000〜6,000円程度で収まることがあります。一方で、蛇口や排水ホース、排水パイプの交換、あるいは詰まりの解消作業が必要な場合は、それに応じた追加費用がかかります。
作業時間についても、部品交換のみであれば1時間以内で終了することが多いです。詰まり解消や複雑な修理が伴う場合は2時間ほどかかることが一般的です。トータルでの費用は問題の深刻さや必要な部品、作業時間に依存しますが、軽微な修理であれば比較的低コストで済む可能性があります。
しかし、問題を放置して水漏れが広がると、床材の交換や大規模な修理が必要になる場合があるため、早めの対処が重要です。
水漏れ修理業者の選び方を紹介
水漏れ修理業者を選ぶ際には、慎重に業者を選ぶことが重要です。悪徳業者に当たると、高額な費用を請求されたり、不適切な修理が行われることがあります。以下の方法を参考に、信頼できる業者を見つけましょう。
自治体の指定業者から選ぶ
各自治体や水道局のホームページには、指定水道業者の一覧が掲載されています。指定業者は、一定の基準を満たした業者であり、一定の信頼性があるとされています。指定業者の中から連絡を取って見積もりを取得するのは、安全な選択肢の一つです。
ただし、指定業者だからといって必ずしも料金が安いわけではありません。各業者によって料金設定が異なるため、注意が必要です。
相見積もりで安くて評判の良い業者を選ぶ
複数の業者から見積もりを取得することで、料金とサービス内容を比較することができます。相見積もりを取る際は複数の業者に連絡を取り、具体的な修理内容や必要な部品、作業費用などを詳しく聞きましょう。見積もりの際は作業費用だけでなく、出張費や部品代も含まれているか確認することが重要です。
また、業者の評判や口コミも参考にして、信頼性の高い業者を選びましょう。口コミやレビューは、実際の顧客の体験に基づいた情報であり、業者のサービス品質を把握するのに役立ちます。
賃貸物件の場合費用負担はどうなる?
賃貸住宅で水漏れが発生した場合、まずは管理会社や大家さんに連絡することが重要です。勝手に専門業者に修理を依頼すると、トラブルの原因となる可能性があります。
修理費用の負担については、水漏れの原因によって異なります。水道設備の老朽化が原因の場合は、通常、管理会社が修理費用を負担することが多いです。一方、入居者がゴミを詰まらせたり誤った使い方をした場合は、修理費用が入居者の負担となることがあります。
ただし、賃貸契約書に記載された内容が優先されるため、劣化による修理でも自己負担となる場合があります。そのため、契約書の内容を事前に確認しておくことが大切です。また、施工不良が原因で水漏れが発生する場合もあるため、いずれにせよ管理会社に連絡しましょう。
まとめ
キッチンで水漏れが発生すると、迅速な対応が被害の拡大を防ぎます。まずは、止水栓を閉めて水の供給を止め、その後シンク下の物を移動させます。そして、漏れた水を拭き取って湿気を取り除きましょう。換気を行うことでカビの発生も防げます。賃貸住宅に住んでいる場合は、管理会社への連絡を忘れずに行いましょう。
水漏れの原因としては、シンク下のパイプや蛇口のパッキン劣化、排水ホースの損傷などが考えられます。修理方法は、パーツの交換や接続の見直しが主です。修理費用は内容によりますが、軽微な修理は比較的安価で済む一方、大規模な修理は高額になることもあります。
信頼できる業者を選ぶためには、自治体の指定業者や相見積もりの活用が有効です。見積もりを比較し、評判の良い業者を選んで、適切な修理を受けましょう。