トイレの中に流してはならないものを落としてしまった経験がある人は、意外にも多いものです。すぐに取り出すことができればよいですが、場合によっては流れていってしまうこともあるでしょう。トイレに物を落としたときにどのような対処すればよいのかを知っておくことにより、万が一の場合には慌てずに対処することができるでしょう。
便器の中に落としたものをとる方法を知ろう
一般的に便器の中に流してよいものとしては水とトイレットペーパー、排泄物の三つのです。近年では水に流すことができる掃除シートや生理用ナプキンなどもありますが、トイレットペーパーと比べた場合には水に溶けにくい構造となっているので、場合によってはつまりの原因になることも考えられます。
これ以外のものを便器の中に落とした場合には、最初のうちは流れていくかもしれませんが、パイプの中でつまりを引き起こす原因になります。万が一便器の中にスマートフォンや財布、こどものおもちゃや小物などを落としてしまった場合には、下水道に流れないように対応する必要があります。下水道まで流れてしまえば取り出すことは不可能です。
落としたものが見える場合にはすぐに拾うことができますが、落としたものが見えなくなってしまった場合には適切な対処が必要となります。最初におこなうことは排水枡を遮ることです。これは敷地内にある小さなマンホールで、掃除や点検をおこなうときに使用するものです。排水枡から先は下水となるので、ここを遮ることによりこれ以上ものが先に進まないようにすることができます。
次に水が流れないように止水栓を止めましょう。止水栓はマイナスドライバーやコインなどで閉めることができます。ここまでおこなったらゴム手袋を着用し、便器の中に手を入れて物が落ちていないかを確認してみます。水を流していない状態であれば、排水口の手前にとどまっているケースがほとんどでしょう。もしも手前にないのであれば、さらに手を奥に入れて確認してみます。
便器の中に落としたものがとれない場合におこないたいこと
ゴム手袋をして手を入れてみても落としたものがとれないこともあるでしょう。このようなときに試したいこととして、まず最初にラバーカップを使用する方法が挙げられます。スッポンともよばれるもので、ホームセンターなどでも安価に購入することができます。
使い方は便器内の流れていく口の部分にラバーカップを当ててゆっくりと押し込んでカップをへこませます。勢いをつけて素早く引き戻してみましょう。この場合にかたいものを落とした場合には、ラバーカップを使うことによって、便器や排水口などを傷付けてしまう可能性があるため注意が必要です。
またもう一つおこないたいこととして通水テストをおこなうことが挙げられます。これは二人いないとできませんが、小さく丸めたトイレットペーパーを7個ほど作って、トイレの水を流します。もう一人が排水枡のところで丸めたトイレットペーパーが流れてくるのかを確認する方法です。2から3回ほどおこないトイレットペーパーが確認できれば、問題なく水が流れているということになります。
それでも見つからない場合には、これからゆっくりと流れて来るケースや、どこかに引っかかってとどまっていることが考えられます。このような場合にはしばらく水を流しておきましょう。ゆっくりと流れている場合には、しばらく水を流しておけばできる限り早く排水枡まで送ることができるでしょう。
便器内に物を落としたときの最終手段は
ラバーカップを使っても落としたものをとることができず、また通水テストをおこない通水していることが確認できたとしても、実際には便器の中に落としたものがつまっているケースも見られます。これを放置してしまえば、これが引き金となり深刻なトイレつまりを引き起こす可能性もあります。
このようなことにならないためにも、修理をおこなわなければなりません。修理をするためにはやはりプロの業者に依頼するしかありません。早く対処しなければならないと焦って適当に業者を選んでしまった場合には、あとあと後悔する可能性も出てきます。
できる限り費用を安く済ませたいので修理費用が安いところを選ぶ、インターネットで調べて一番最初に出てきたところを選ぶなどのような選び方はやめておいた方がよいでしょう。
正しい業者の選び方としては、水道局に認定されている水道会社を選ぶのが一番です。水道局に認定されている業者であれば、安心して修理を依頼することができ、アフターフォローも万全です。万が一そのほかのトラブルが発生した際にも、柔軟に対応してもらえることでしょう。
このように万が一便器の中に物を落とした場合には、順序を経てさまざまな対処をおこなう必要があることがわかります。トイレは水に溶けやすいもの以外を流してしまうと、これがつまりの引き金となり、最悪の場合には便器を丸ごと交換しなければならなくなってしまいます。
丸ごと交換するとなると、まとまった費用がかかることにもなります。最悪の事態を招くことのないように、便器の中に物を落とした場合にはすぐに対処することを覚えておきましょう。